ヨットの自作そして自然と文化を訪ねる航海で見つけたもの、空間段階の文化による文化の生命化で新しい世界を開く。

2002

▼第二章 統合体段階の文化から、空間段階の文化へ

[1] 空間について 2002

1 知的な生命活動

人間の生命活動の中でも、最も人間らしいものとして知的な生命活動があります。この知的な生命活動とは、日常生活を支え、仕事をし、そして趣味や遊びから世界観人生観など、考え思い夢みることなど全てに及び、複雑で高度な働きをしています。成長し、あるいは生きる上で直面する様々な問題を解決して行くのも同じ働きです。これは無職の老人においても働き、頭が良い悪いにも関係ありません。いつでも誰にでも、そして一生働いています。これは体を維持する有機的な統合活動に対して、心を維持し発展させる知的な統合活動と捉える事ができます。散歩し本を読み何かを集めそして作るといった個人的なものから、誰かと旅行やスポーツをしたり、あるいは数人で協力して仕事をするといった事、さらには社会と関係する広範囲なものまであります。そしてそれらの活動は一つとして同じものはありません。それぞれは時間も場所も違い、本人も社会も変化する中で、似たような事はあっても同じ状況下でこの知的な統合活動に臨む事はありません。またこの知的な統合活動は自然における有機的な統合活動と同様に、非常に広い範囲と多様な要素によって成り立ち、それを求めます。例えば仕事を辞め社会的に用が無くなるといった事がありますが、人間の生命活動としては社会的な要素を取り除く事はできません。また自律性があるということでも自然における有機的な統合活動と似ています。知的な統合活動は無意識の世界でもしっかりと働き、自らの行くべき方向を示します。そして手取り足取りの指図は、ほとんどの人が求めません。このような自らも社会も変化する中での知的な統合活動とは、日常的な創造活動ということもできます。今でも個人という自由に創意工夫ができるところでは、日々新たにする行為がごく自然に見られ、快適な生活あるいは仕事ができる様にしています。これらの知的な生命活動に対して、これを日常的に支え自由自在な活動ができるようにすれば、個人も社会も活性化し知的な生命活動の力、創造力(=知的統合力)が高まると考えられます。

2 知的統合空間

体を維持し進化させてきたものとして、今でも膨大な未知の領域が広がる自然や宇宙といった高度な統合空間があります。人間の知的な統合活動が24時間一生を通じて、自律性を持った高度なものとなるには、これと同様の知的な統合空間というものが必要ではないか。空間は点、線、面あるいは構造的な形の関係を飛躍的に越える事ができる。日常的な知的生命活動に対応した空間という新たな仕組みは、知的統合活動とその場を飛躍的に発展させる事ができるのではないか。知的な世界はこれまでになく豊かで便利になり、それぞれがその個性のままに活動ができる。老若男女を問わず、職種や地位、民族的な文化の違いも問わない。一人でも集団でも自由自在、様々な形も用意される。つまり個性は尊重する事からさらに進んで、ごく一般的な基礎単位となる。また自由自在な統合活動により、必然的に無数のそしてより強固な太い関係線が縦横に結ばれる事になる。この空間という仕組みが、膨大な関係線を人と人の間に、そして社会の中に創造していくよう促す。創造的といわれる人間ばかりでなく、ごく普通の人間が自らの個性、関係線を育て、この空間そのものを支える事になる。つまり人間のひとつひとつの活動がこの世界を創造する事になる。知的な生命活動の場が、まさに宇宙や自然の空間と同様の、そしてそれらと一体的な、非常に高度な働きをすることになる。

3 新たな可能性

空間は知的な生命活動とその場を飛躍的に発展させる事ができる。自律的な統合活動により、個人の能力は高まりそれぞれの人生で活力と穏やかさ、そして充実感を得ることができる。個人はその仕組みに支えられて、空間の中をどこまでも自由自在に生きて行く事ができる。仕事も、自らのテーマをもとに進める事ができる可能性も出てくる。それが誰にとってもより容易になる。また個性が通常の基礎単位となる新しい世界では、個人はより個性的な生き方を無理なく育てる事ができ、これを保障される。活発な統合活動は縦横の関係と確かな手応えをもたらし、より高い理解や信頼を形作る事ができる。また創造力が高まる事は、問題解決の能力を高くする事になる。このような中では、合意の形成もより容易になると考えられる。大多数の間に共通の理解、認識、状況把握が持てる可能性が出る。その結果、納得度の高い共通の物差し、目標、方法を自然な形で持てる可能性もある。つまり社会が基礎的な部分で優秀な働きをする事になり、その結果我々の生活はより安定し穏かなそして活性化したものになる。ますます激しくなっている変化、流動化する社会に対して、安定を失わず柔軟に対処できるといった、我々にとって極めて重要な問題解決の可能性を得る事にもなる。難しい仕事であればあるほど、いい仕事を求めれば求めるほど、空間は力になる。また空間という捉え方は、一個人の価値観生き方を越える枠組みを日常的な場面で提供するために、人間関係がより自由で穏やかなものになる。また大きなそして固定的な枠組(後述の「創造性の世界」にある統合体段階の文化を参照のこと。)を無理強いさせられるといった問題は、この空間という日常的な仕組みによって避けられるだろう。これによって性格が合わないといった争い、葛藤はかなり避けられるだろう。対立はやわらいで、個人と個人の自在な合力(協力という言葉でもよいが、空間における個人を越えた知的統合という意味で合力という言葉を使っておく。)の可能性も高まる。個性的な一人だけの生き方と、集団での合力がまったく一つの枠組みとして解決される。よって社会としての様々な能力も高まる。組織は柔軟性と流動性を、安定した中で備える事ができる。経済活動とボランティア活動、そして一般の協力は極めて容易になる。いわゆる組織と個人的な興味との境界は薄れて、共通のテーマの元に協力も可能となるだろう。同様の分野でも多種多様の方法、形が現れる。また当然充実する様々な支援サービスによって経済活動の安定と自由度は高まり、非常に強いものとする事ができる。空間によって、新しい無数の仕事、サービスが生まれる。空間の仕組みに関わるサービスは、基礎的な経済活動となって社会を根底から支える。ごく日常的なものとして、個人的あるいは組織的な創造力(統合力)は高まり、よって膨大な創造力エネルギーも生まれる。以上の事により、無理な開発や反社会的な経済活動、無関心、ひどい孤独感は自然と減少する。つまり個人は孤独や孤立を自然な形で避けられ、友人知人を超えたより広い新たな関係を得る事にもなる。これによって人と人が自然の仕組みと同様、互いを意識することなくこれまで以上に支えあう事ができるようになる。さらに、日常的な活動が創造につながる新しい文化としての空間は、一つの一般的な道具(自動車やスポーツと同じ様に)として、どんな民族にとっても使える枠組みとなり得る。また情報化というものは空間の仕組みとして働き、誰にとっても日常的なものになる。それは情報化に不利な者、縁遠い者にとっても親しみやすい形で身近なものになるということである。

サービス サービスという言葉は、感覚としては人間の生命活動に対する無条件で有り余るほどの支援をしなければならないといったものである。また個々の人間ではなく空間の仕組みとしてそうするという意味合いで捉えている。現在のところこれ以外に適当な言葉が見つからない。

4 空間の開発

我々の知的な生命活動を飛躍的に進歩させるには、知的な統合空間が必要である。知的な生命活動とは、自然における有機的な統合活動と同様の、知的な統合活動ということができる。つまり知的な生命活動にも、この自然界同様の高度な空間が求められる。そして知的な統合活動とは情報の統合活動ということができる。一人の人間がただ歩くだけでも、この情報の統合活動は活発に行われている。自然界の生命活動を支える光や空気のように、知的な生命活動も生きるにふさわしい質と量の情報が流れ、自然あるいは各生物が内に持っている仕組みのように、その様々な機能をする仕組みが必要である。つまりこの空間が空間としての働きを得るには、あらゆる人間による知的な統合活動の自然な流れ、その統合活動を促す情報の機能化が有効である。つまり自律的な知的統合活動を支え促す、多種多様な仕組み、機能を数限りなく用意する。これは高度情報化社会ではなく高度情報機能社会ということができる。これは極めて技術的なものである。多様な手段と無数の回路で繋ぐ、統合活動のための様々な支援機能を用意し、何時でも何処でも働くようにする。これには幾つものサービス(支援)機能が考えられる。そしてこれらのサービス機能は、本来人間自身の持っている情報能力、情報機能によって成立つ。つまりこれらの仕組みは、全ての人間による日常的な知的生命活動と、これらの人間による無数の個性的な仕事によって支えられる。また各サービス〔支援〕には技術者あるいは運営をする者が多数必要になる。関係するサービス(後述の支援や研究研修サービスなど)あるいは個人の自由な活動によって無数の技術者が生まれる。これらの技術は、自らのテーマを発展させ、この空間を自由自在に生きる技術でもある。そしてこの結果、個人としても社会全体としても、創造力(=知的統合力)は高まることになる。この創造力は、他の様々な力と同様に、技術開発によって高めることができると考えられるのである。

次は、 [2] 空間を作る 2003~8 です。

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